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【開催レポート】できるときに、できる人が、できることを。浪江の春をつくる人々の物語|FUTURE × COLORS #4

  • 5 時間前
  • 読了時間: 6分


3月4日に開催された「FUTURE × COLORS #4」では、「絆さくらの会」会長であり、さくら祭り副実行委員長の小黒さんをゲストに迎え、「みんなでつくる浪江の春 ― 桜並木の今とこれから 」をテーマに語り合いました。


会場には、浪江町で長年開催されている「さくら祭り」を毎回楽しみにしている方から、桜の手入れの裏側を初めて知る方まで幅広い世代が集まり、春の訪れを感じる温かな時間となりました。


本レポートでは、当日のセッションのハイライトをお届けします!


 

50年前の浪江町と、桜との出会い 



——自己紹介と、浪江での暮らしについて教えてください。 


小黒: 今年で70歳になります。生まれも育ちも浪江で、小中学校もこの町。50年前の浪江は、何でもそろう“コンパクトシティ”でした。楢葉や南相馬からも買い物に来る人が多く、服もレコードも浪江で買うのが当たり前。活気がありましたね。 


——桜の手入れを始めたきっかけは何だったのですか。 


小黒: 昔は商工会が「さくら祭り」をやっていて、桜も手入れされていました。でも全国的に商店街が衰退していく中で、浪江も例外ではなく、祭りも桜の手入れも途絶えてしまったんです。

そんな時、商工会青年部のOBが「桜がかわいそうだ」と言い出して、平成8年(1996年)に“見よう見まね”で手入れを始めたのが始まりです。最初は高所作業車の扱いも分からず、電気屋の友人を会長にして無理やり使ったりしてね(笑)。 


——東日本大震災の影響は大きかったのでは。 


小黒: 2011年の東日本大震災直後は一年間、誰も桜に触れませんでした。でも一年経つと「そろそろやるか」と声が上がり、許可証を取って土日に作業を再開しました。桜は10年くらい放置してもすぐ枯れるわけではありませんが、20〜30年放置すると病気に負けてしまう。だからローテーションを組んで、3〜5年サイクルで手入れしています。 


 

町の記憶をつなぐ桜並木 



 ——請戸川沿いの桜並木にはどんな歴史があるのでしょうか。 


小黒: 調べてみると、桜は町民が少しずつ植えてきたものでした。戦後の未亡人会、相撲取りの記念植樹、浪江高校の卒業生、老人会…。誰が植えたか分からない木も多いけれど、調べると一つひとつに物語がある。震災で家が解体され、町の景色が大きく変わった中で、桜並木は「帰ってきたときに思い出せる風景」なんです。 


——「絆さくらの会」の活動の目的にも変化があったとか。 


小黒: 最初は「桜の病気を治す」「桜を綺麗にする」ことだけでした。でも続けていくうちに、仲間との交流が生まれ、町民の癒しになり、震災後の“記憶の風景”を守る役割も担うようになりました。

今は移住者も増え、町の雰囲気をつくるのは“そこに住む人たち”だと感じています。利害関係のない桜の手入れは、誰でも参加できるし、町のベースづくりにもつながる。そんな存在になっています。

 

 

「みんな主役」のさくら祭り、そして次の世代へ 

 


——今後、「絆さくらの会」をどう繋いでいきたいですか。 


小黒: 若い人は時間がないし、年配の人は体力がない。その間の“ちょうどいい世代”が少ないのが悩みです。でも、無理に背負わせると続かない。活動には来られる時に来て、できる範囲で関わればいい。三年休んでも、また戻ってきてくれればそれでいい。そんな“ゆるく続けられる形”を守りたいんです。

移住者でも学生でも、桜が好きなら誰でも仲間になれる。そうやって少しずつ人が増えていけば、30年後も浪江の春はきっと美しく咲き続けます。 


——4月10日には「さくら祭り」が開催されますね。実行委員としての想いを教えてください。 


小黒: お祭りは、いろんな人が関わらないとできません。だからこそ、みんなが主役になれる場にしたい。担当を決めたら、あとは任せる。細かく指示しない方が、みんな楽しんで動けるんです。当日は出店や展示、そして弘前大学の津軽三味線も調整中です。桜の会はすべて自腹で活動しています。会場にはお賽銭箱を置きますので、活動を応援していただけたら嬉しいです



参加者の声・会場の様子



会場では、桜の枝の展示とともにニッチな桜の見分け方やお手入れの裏話など伺いながら、参加者それぞれが“桜の記憶”を語り始める場面もありました。 

 

——昨年、桜の下を歩いたとき、あまりの美しさに涙が出てしまったんです。一昨年とは全然違う丸みのある枝ぶりで、“こんなに綺麗になるんだ”と感動しました。ライトアップもされていますよね。(参加者) 


小黒: あのライトアップは、実は“勝手にライトアップ”から始まったんです(笑)。最初は「クリスマスまでにしよう」と言っていたのに、気づけば年明けも、そのままさくら祭りまでつけっぱなし。みんなが楽しんでくれるなら、それでいいかと。あの景色を見て涙が出たと言ってもらえるのは、本当に嬉しいですね。桜も、手をかければちゃんと応えてくれるんだなと感じます。 

 

※ライトアップイベント「冬桜回廊 ~光で紡ぐ幻想のリバーライン~」の様子


参加者からは、 

「小黒さんの人を突き動かす言葉や考え方が大変勉強になりました 。」 

「気軽に参加できるということでその場で入会しました。来年の活動が今から楽しみです。」 

「さくら祭りに行って、会場を盛り上げたい!」 

といった声が寄せられました。 

 

今年の春は一層、桜の開花が待ち遠しくなりましたね。4月10日、浪江町の「さくら祭り」で一緒に浪江の春を楽しみましょう! 

小黒さん、そしてご参加いただいた皆さん、ありがとうございました! 


次回予告|あなたも浪江の「未来」を彩る仲間になりませんか?


次回もトークイベント「FUTURE × COLORS #5 浪江で挑戦する“あの人”とつながる夜」を開催予定!詳細は後日お知らせしますので、ぜひメンバー向けメールマガジンや公式SNSをチェックしてください。



登壇者プロフィール

<ゲスト>

小黒 敬三さん(絆さくらの会 会長/さくら祭り実行委員会 副実行委員長) 

1996年発足「浪江桜の会(現・絆さくらの会)」の中心メンバーとして、請戸川リバーラインの桜並木の保全に尽力。独自の手入れ方法を確立し、現在は会長として活動を牽引。福島いこいの村なみえ理事長も務めるなど、地域を幅広く支えている。 

 

<聞いてみる人>

大橋 未来さん(會澤高圧コンクリート株式会社/執行役員 The Guardian PJ統括)

2023年より札幌と浪江の二拠点生活を開始し、2025年に移住。

「未来は開発できる!」をテーマに複数のプロジェクトを展開する同社で、避難の在り方を創造的に変化させる『新しい防災のカタチづくり』に挑戦している。

 


FUTURE × COLORSとは


「FUTURE × COLORS」は、2025年10月よりナミエシンカで新たにスタートした、トーク形式のコミュニティイベントです。地域で挑戦する人の“色(COLOR)”に触れ、その背景にある物語や価値観を共有することで、浪江の未来の可能性を一緒に描いていこうという思いから生まれました。

活動の裏話やこれからの野望を語りながら、まちを動かす人たち・これから活動したい人たちがつながる場をつくっています。



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