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【開催レポート】浪江に移住した選手たちが描く、新しい女子サッカーのかたちとは?FUTURE × COLORS #2



 11月27日、ナミエシンカで開催した「FUTURE × COLORS #2」では、女子サッカーチーム「FUKUSHIMA WWW.」のメンバー・一川美緒さん、そして当クラブを運営するREADY SOCIAL株式会社 CEO・佐藤夏美さんをゲストに迎え、「スポーツ×まちづくり」をテーマに、浪江町・双葉郡地域での挑戦やスポーツと地域の新しい関係について語り合いました。

会場には町内外から関心を寄せる参加者が集まり、和やかでありながら熱量のある時間となりました。


本レポートでは、当日のセッションのハイライトを中心に、その魅力をお届けします!


 

夢を描ける女子サッカーに。 スポーツビジネスの仕組みを変える挑戦


——女子サッカーチームを立ち上げたきっかけは何だったのですか。


佐藤: 女子サッカーは男子に比べて待遇が低く、大学卒業後に選手を続けると年収150〜200万円程度が一般的でした。ほとんどの選手が「働きながらプレーする」しかなく、夢を描きにくい現状に疑問を持ちました。男子は海外で億単位のプレイヤーが誕生しましたが、女子はようやく近年になって1,000万円プレイヤーが出てきた程度です。こうした構造的な格差を変えるために「スポーツビジネスの仕組みそのものを変えたい」と考え、READY SOCIAL株式会社を立ち上げ、同時にFUKUSHIMA WWW. を創設しました。

 

——女子サッカー業界の課題をどのように捉えていますか。


佐藤: 女子サッカーは「儲からない」という固定観念が根強く、スポンサーもCSR的な支援に留まることが多いです。首都圏のクラブには資金が集まりやすい一方、地方クラブは資金調達が難しい構造になっています。スポーツは社会の縮図であり、資金の偏在がそのまま反映されているのです。だからこそ、地方から新しいモデルを提示し、選手のキャリアと地域課題の両方を解決する仕組みを作る必要があると考えています。


 

浪江に全員移住!選手たちの日常と地域とのつながり

——選手の皆さんは普段、どんな日常を送っているのでしょうか。

 

佐藤: チームの選手たちは全員浪江町に住んでおり、日中、浜通り地域の様々な企業に勤めながら、終業後にサッカーの練習をする、という暮らしをしています。運輸会社や農業、まちづくり事業などに関わり、単なるアルバイトではなく「地域課題に挑戦する意味のある仕事」に就いています。応援されるだけでなく「相手に利益を返す存在」になることを重視しています。

 

——チームのディフェンダーとして活躍されている一川選手にも話を聞いてみたいと思います。実際の生活リズムや働き方はどうですか。


一川: 私は埼玉県の出身で、大学卒業後は兵庫県西宮市のサッカーチームに所属していました。ご縁あって今年の3月からFUKUSHIMA WWW. に加入し、移住してきました。今は、富岡町にある株式会社宮田運輸 福島事業所でフォークリフト業務に従事しています。免許を取得して毎日作業を行い、夕方から練習に参加する生活です。以前のチームは「会社のサッカー部」だったのでチームメイト全員が同じ職場で働き、練習も朝に集中していましたが、現在は職場がバラバラで、練習は夕方に行われるため、生活スタイルは大きく変化しました。それぞれの仕事の話を聞けることがとても面白く、選手同士は食事や交流を通じて絆を深めてチームワークを維持しています。

 

——他の選手では、例えば震災遺構を案内する「ホープツーリズム」のガイドもやっていらっしゃるんですよね。


佐藤: 試合に訪れる他県チームや観光客がたくさんいるので、震災・復興の現状を伝える「ホープツーリズム」を展開しています。請戸小学校や東日本大震災・原子力災害伝承館を案内しながら、震災の記憶が風化しないように、そして各々の地域での防災について考える機会を作っています。移住者だから語れない、のではなく、「発信したい」という熱い想い持った人が発信者になればいいと考えています。


 

5年後はなでしこリーグへ!来年の目標は全勝優勝


——5年後、10年後、どんな未来を描いていますか?


一川: チームとしては5年後になでしこリーグ参入を目指しています。10年後にはセカンドキャリアとして運営や地域事業に関わる立場でチームを支えたいです。女子サッカーの価値を高め、地域とwin-winの関係を築いていきたいと思っています。

 

——最後に、今年嬉しかったことと来年の目標を聞かせてください!

 

一川: 地域の皆さんに思った以上に受け入れていただき、1年目から関わりを持てたことが嬉しかったです。福島県リーグで優勝できたことも大きな成果でした。来年は全勝優勝で東北リーグ昇格を勝ち取って、さらに地域の皆さんとの交流を深めたいです。サッカーをしている姿を多くの人に見てもらいたいと思っています。

佐藤: この地域に女子サッカーチームができたことを素直に喜んでいただき、選手が気軽に声をかけてもらえる環境が生まれたことがとても嬉しかったです。来年は選手の強化を進めつつ、地域にもっと還元していきたいと思います。小さなことからでも皆さんと一緒に取り組み、地域に根ざした活動を続けていきたいです。



参加者の声・会場の様子



いつも試合やイベントに駆けつけているファンの方から、「地域に女子サッカーチームがあることを初めて知った!」という方まで、まちに根差した“新しいチャレンジ”に関心のある皆さんに集まっていただき、鋭い質問も飛び交いました。

 

——チームの財政面での運営基盤の強化はどのように考えていますか?

 

佐藤: 大手スポンサーさんや地域事業者のスポンサーさんなど、バランスをとって連携をしていく予定です。来年度からチーム体制はNPO法人へ移管し、個人会員制度なども検討しています。母体の株式会社で他の収入源も確保しつつ、持続可能な運営を目指しています。

 

——FUKUSHIMA WWW.はたくさんのイベントに出られている印象です。地域のイベントに参加していて、どんなことを感じますか?

 

佐藤: 浪江・双葉・大熊などで多数のイベントに参加し、地域住民との接点を増やしています。他チームから「イベントに出すぎでは?」と驚かれるほどの活動量ですが、地域との関係を築くためには必要だと考えています。単なる出演ではなく、運営面で困っている団体の裏方を手伝うなど、地域の持続的な活動を支える関わり方も模索しています。

 

参加者の皆さんからは、

「業界・地域と様々なことを考えられていて、とても刺激になった。」

「外から来た人でも想いを持った人が発信すればいい、という考えは本当に共感した。」

といった感想が寄せられ、熱気に満ちたトークと交流の時間となりました。

ご登壇いただいた一川さん・佐藤さん、そしてご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!

 


次回予告|あなたも浪江の「未来」を彩る仲間になりませんか?



第3回は1月22日に開催!テーマは「花嫁行列の今とこれから」。

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登壇者プロフィール

<ゲスト>

一川 美緒さん(FUKUSHIMA WWW. メンバー・ポジション:DF)

本クラブの一期生として、2025年3月にbeillevaire西宮から加入。センターバックとして献身的な守備でリーグ優勝に貢献。株式会社 宮田運輸 福島事業所に勤務し、フォークリフト作業に従事。

 

佐藤 夏美さん(READY SOCIAL株式会社 CEO)

長年、スポーツを通じた復興・地域活性化に取り組む。福島県浜通りへの移住・定着支援を経て、地域への熱い想いから2025年に女子サッカーチーム「FUKUSHIMA WWW. 」を立ち上げ。起業と同時にチーム全員で移住し、地域課題の解決に挑戦中。「成せばなる」がモットー。

 

<聞いてみる人>

大橋 未来さん(會澤高圧コンクリート株式会社/執行役員 The Guardian PJ統括)

2023年より札幌と浪江の二拠点生活を開始し、2025年に移住。

「未来は開発できる!」をテーマに複数のプロジェクトを展開する同社で、避難の在り方を創造的に変化させる『新しい防災のカタチづくり』に挑戦している。

 


FUTURE × COLORSとは


「FUTURE × COLORS」は、2025年10月よりナミエシンカで新たにスタートした、トーク形式のコミュニティイベントです。地域で挑戦する人の“色(COLOR)”に触れ、その背景にある物語や価値観を共有することで、浪江の未来の可能性を一緒に描いていこうという思いから生まれました。

活動の裏話やこれからの野望を語りながら、まちを動かす人たち・これから活動したい人たちがつながる場をつくっています。

 


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